フランス料理を彩る食材について
先日、フランス料理に関して子供達に話す機会があった(いわゆる食育活動です)。そこで話した事を紹介したい。
【フレンチ料理の基本調理法について】
フレンチに美味しい味わいと深みを添えるのは、フォン(だし汁)です。フォンはソースやスープの大事なベースなので、良いフォンさえあれば、美味しいソースや> スープが簡単に作れます。(ちなみにイタリアンの場合は、野菜のブロードです。)
これは、材料と多少の 時間さえかければ、家庭でも充分に作れるもので、本格的な味作りの為には欠かせない、大切な基本です。
フレンチのフォンには、大きく分けると白いフォン(フォン・ブロン)と、褐色のフォン(フォン・ブラン)の2種類があり、基本的には、肉のフォン2種(子牛、子羊、牛の骨の白いフォン&子牛、子羊、牛の骨の褐色のフォン)と鶏のフォン(白いフォン)、魚のフォン(白いフォン)の4種類があります。これらはそれぞれ、主材料が違い、使う料理も違ってきます。またソースも、大きく分けると白いソース(ソース・ブロンシェ)と褐色のソース(ソース・ブラン)の2種類があります。
基本的に白いソースは白い肉(鶏、豚など)に、褐色のソースは赤い肉(牛、鴨、ジビエなど)のそれぞれ添えられています。
野菜の切り方(タイユ・ド・レギューム)にも、大きさや形によって独特な名前がついています。野菜も大きく分けると「緑の野菜」と「乾燥野菜」の2つに分けられ、それぞれの素材や大きさによって、火の通し方や要する時間も変わってきますので、きちんと別々に火を通す事も守るべき基本の一つです。
ちなみにフレンチ料理には、大きく分けて2つの潮流があります。一つは宮廷料理 の流れを汲む高級料理、そしてもう1つがフランスの風土と歴史が育んだ郷土料理
です。(イタリアンは、各地方の郷土料理の集合体です。)
【フレンチでよく食べる野菜について】
代表的なモノを記載します。
《野菜》
クレソン・・・
和名は、みずがらし。ヨーロッパ原産の野菜で、サラダに用いるほか前菜、魚料理、 肉料理の添え野菜として火を通さずに食べます。またクリームスープの素材にもなり、用途は幅広い。英語ではウォータークレスと言います。
ポロ葱・・・
欧米で幅広く用いられる太ねぎで、英名はリーキ。白い部分は茹でてドレッシングで、青い部分はブイヨンの材料として使います。ヴィシソワーズにも不可欠な素材です。
セロリアック・・・
薄く切ってサラダに使ったり、煮込み料理にも用います。
エシャロット・・・
日本では、ベルギー・エシャロットの名で知られており、フレンチには欠かせない香味野菜です。刻んで生のまま使うか、炒めて甘味を出してから使います。和エシャロットとは別の種類です。
マーシュ・・・
地中海沿岸が原産の野菜で、主にサラダに用います。やや苦味があるが、くせがな
く食べやすい。英名はコーン・サラダ叉はラム・レタスです。
シブレット・・・
日本では、西洋あさつきともいいます。葱の仲間では最も細い。繊細な香りが料理のアクセントに最適な為、料理のあしらいにしたり。刻んで薬味などとして使いま
す。 英語名はチャイブです。
シコレ・・・
古代エジプト時代から地中海沿岸で食べられていた。葉先が縮れ、切れ込みがあるのが特徴です。レタスより栄養価が高く、生のままサラダに用います。(ちなみに、チコリはシコレの根株を暗所で軟白栽培した野菜です。)
《ハーブ》
ローリエ・・・
月桂樹の葉です。乾燥させて揉むと強い香りが蘇る。フレンチでは煮込みやスープ
の香り付けに用います。しばしばタイムとのコンビで使われます。英語名はベイリー
フです。
ディル・・・
和名は、ういきょうです。ディルは英名。ほの甘い特有の香りで外見も味もフェン
ネルの葉に似ています。魚料理(有名なのはスモークサーモン)の香り付けや、ピク
ルスに漬け込んで使います。種もスパイスに利用されます。
エスドラゴン・・・
ういきょう系の甘味とセロリに似た香りがあるハーブ、ピクルス、サラダなど多岐
に利用される。またエスドラゴンを漬け込んだワイン・ビネガーも好んで使われま
す。英語名はタラゴンです。
オゼイユ・・・
日本にも自生する野草のすかんぽの仲間です。英語名ではソレルといい、噛むと独
特の酸味があります。フレンチではサラダに使うほか、煮物やソテーなどにも幅広く活用されます。
セルフィーユ・・・
少し癖のある甘い香りのハーブです。「美食家のパセリ」とも言われます。サラダに使うほか、料理に仕上げの天盛りにしたりします。英語名は、チャービルです。
《きのこ・豆》
ジロール茸・・・
あんずのような香りを持ち、味わいはスパイシーです。モリーユ茸同様高級きのこ
です。黄色みを帯びているのはβカロテンによる発色です。ほかにはビタミンAやD
も含まれており、栄養的にも優れた食材です。
モリーユ茸・・・
表面が網目状になっている事から網笠茸ともいいます。きのこの多くは秋に収穫されますが、モリーユ茸は春が収穫期です。うまみに富み、香りに優れ、他の食材ともよく調和する為、ヨーロッパでは大変親しまれています。
ひよこ豆・・・
ひよこの頭に似た豆。ガルバンゾ豆、チャナ豆などの名でインドやアラブ諸国の煮
込み料理に使われる事が多く、ヨーロッパでもエキゾチックな味わいを演出する際に登場します。英語名ではチックピーです。
レンズ豆・・・
薄い凸型レンズの形をした小さな豆です。人類最古の栽培植物の一つといわれ、ア
ジアから中近東。アフリカまでの広い地域で食べられています。フレンチではサラダ
や付け合せに用いる事が多いです。
マッシュルーム・・・
今や世界中で作られている栽培きのこの代表選手。パリのカタコンベ(地下墓地)
から見つかったのが最初という事からシャンピニョン・ド・パリ(パリのきのこ)と
呼ばれます。
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